どうしてチーズは固まる?
チーズの作り方
一般的なチーズの作り方を紹介しましょう。
まず、何はなくとも新鮮な大量の牛乳。他にはヤギの乳なども利用されます。そこに加えるのが凝乳酵素、レンネットです。
牛乳とレンネットを混ぜ合わせると・・・あら不思議。牛乳が固まって(凝固)、水分と固形分に分かれてしまいます。この固形分だけをとりだし、成形、熟成させたものがチーズです。
ちなみにこの時に出た水分をホエイといいます。
レンネットとは?
名前だけは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
本来レンネットは子牛の第4胃袋から抽出されます。動物の臓器由来ということもあり、チーズの需要増加に伴い、供給不足となりました。
そこで1960年代に有馬啓氏、岩崎慎二郎氏によりカビ(Mucor)由来のレンネット(微生物レンネット)が開発されました。当時、日本ではほとんどチーズが食されておらず、「まるで石鹸のようだ」と評されるほど敬遠されていた最中に、この研究に着目したことには本当に驚かされます。
どうして固まる?
牛乳にレンネットを加えるとどうして固まるのでしょうか?
レンネットは乳タンパク質内部の特定の結合を切断するプロテアーゼの一種です。
牛乳中の主要タンパク質の一つ、k-カゼインの1か所、105番目フェニルアラニンと106番目メチオニンのペプチド結合が切断され、タンパク質の性質が変化します。
変化したタンパク質は水に溶けることができなくなり、凝固が起こります。乳が固まるので凝乳ともいいます(ちなみに、kはギリシャ語で「カッパー」と読みます)。
今後、世界的にチーズの需要はますます高まると推測され、カビ由来のレンネットの需要も増加していくことでしょう。