酒づくりを陰で支える

日本酒はどうやって作られるの?

日本酒は米と水から作られていることはご存知だと思いますが、どうしたら米がお酒になるのでしょうか?お米をお酒に変えるには2種類の微生物(麹、酵母)の働きが必要です。日本酒は以下の工程を経て作られます。

  1. 米を蒸して、麹菌をふりかけ、麹(コウジ)を作る。
  2. 麹と蒸米、水、さらに酵母を混ぜて酒母(シュボ)を作る。
  3. 酒母、麹、蒸米、水をタンクに入れて発酵させて、醪(モロミ)を作る。
  4. できあがった醪を絞り、日本酒となる。

麹ってなんだろう?

麹とは米、麦、大豆などの穀物に麹菌(コウジ菌=カビ)を繁殖させたものです。

米麹はα-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼなどの酵素を作ります。このうちα-アミラーゼ、グルコアミラーゼが米のデンプンを分解し、糖に変えます。


米麹


麹菌


酵母

アルコール発酵のもと、酒母

アルコールを作るには酵母が欠かせません。酵母はカビと同じ微生物ですが、その形や働きは全く違います。酵母は糖を吸収・分解し、アルコールと二酸化炭素を作ります。

酵母はいきなり大きなタンクに入れても十分に生育することができません。そこで別のタンクに麹と蒸米、水、酵母を入れ、前もって酵母を増やします。出来上がったものを酒母といいます。

いよいよ醪作り

大きなタンクに酒母、麹、蒸米、水を入れ、醪を作り、約3週間かけてアルコール発酵させます。できあがった醪を絞ったものが日本酒(原酒)となります。しかし、麹の出来具合や気温の変化などの影響で、醪の発酵熟成が思うように進まないことがあります。そこで酒造用酵素の力を利用し、麹が作る酵素を補強します。

少人数でも可能な液化仕込み

麹づくりや醪の管理は作業者の経験に大きく左右されます。より安定した品質の日本酒を作るために、一部の米を麹ではなく丸米液化用酵素(α-アミラーゼ、グルコアミラーゼなど)によって溶かす方法があります。このような方法を液化仕込みといいます。液化仕込みは少人数での製造が可能で製造設備もコンパクトとなり、年間を通して製造を行うことができるため、リーズナブルな価格の商品を作ることができます。

日本酒製造での酵素応用

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